協調作業における力のインタラクションによる気づかい変化

近年、組織の維持と発展のためにイノベーションが不可欠とされており、チームワークが注目されています。チームワークを発揮することによって活動が円滑に進んだり、問題解決能力が向上します。したがって、チームワークを発揮できるチームを組織する必要があります。そのため、チームワークを何らかの方法で評価する必要があります。しかし、人間によって構成されるチームを評価することは困難であり、課題となっています。

チームワークを評価する研究は昔から行われています。多くの研究者はチームを構成するメンバーにアンケートを用いて評価を行い、総合的にチームワークを評価しています。しかし、アンケートは、主観的評価が混入してしまい、客観的評価が困難です。そこで、私の研究では、人間の「気づかい」に注目しました。「気づかい」を推定することによって、チームワークを客観的に評価することを目指します。

「気づかい」と聞くと、人に対する思いやりなどをイメージし、いいことであると考えがちですが、私はそれだけが「気づかい」ではないと考えています。私の研究における「気づかい」は、“協調作業において、他者の介入によって変化する操作”と定義しています。つまり、単独で作業している際の操作と複数人数で協調して作業をしている操作の変化です。同じ作業をしているにもかかわらず、他人によって操作が変化してしまう。これが私の研究における「気づかい」です。

現在は、力のインタラクション(力の相互作用)が、人間の「気づかい」にどのような影響を与えているかを研究しています。力のインタラクションを発生させるため、バイラテラル制御を用いたフォースフィードバックシステムを開発しました。バイラテラル制御は、モータの制御技術の一つで、互いのモータが同じ動きをし、力を伝達する働きをします。これによって、力のインタラクションを可能としました。

実験では、力のインタラクションは、「気づかい」を減少させる働きがあることが確認されました。これは、力のインタラクションが発生することによって、直接的に相手の操作情報を得られたためであると考えています。今後は、多人数で協調作業ができるように、ダイナミクスを考慮したフォースフィードバックを行おうと考えています。

主な発表論文

  • 佐々木元気,新居駿也,五十嵐洋: “協調作業における力のインタラクションがある場合の気づかい変化”,平成29年 産業応用部門大会,Y-83, 2017/08/29

研究室メンバー

洗濯物畳みロボットのためのインテリジェントワークベンチの開発

関連記事

  1. MR流体を用いたセンサレスフォースフィードバックデバイスの開発

    近年, VRやシミュレーション, 遠隔操作技術などの向上により, 柔らかさや弾力など, 任意の力覚を…

  2. 触覚刺激を用いた聴覚の拡張及び提示波形包絡線の検討

    音楽鑑賞や楽器演奏などの体験には,楽器の振動という単一の物理現象によって触覚と聴覚を…

  3. 3次元空間における注意推定と行動予測

    近年、人間社会と密接にかかわるような知能ロボットに関する研究が広く行われています。このことからロボッ…

  4. ロボットの動作に対する視覚的注意の変化の測定

    近年、人間社会においてロボットの普及が顕著であり、その中でもヒューマノイド型のロボットが多く登場して…

  5. 複数の発光・受光素子を用いた高速・高分解能視線計測デバイス開発

    本研究では、人間の視線に着目し、非常に速い眼球運動を捉えるためのデバイス開発を行っています。…

  6. プロペラ吸排気一体型モジュールの開発

    近年,建造物の老朽化が問題となっています.高度経済成長発展を遂げた日本は,様々な建造物が造られてきま…

  7. 熟達者の力提示を用いた楽器演奏熟達支援

    楽器演奏には長期練習が必要であり、それを支援する研究は広く行われている。しかしながら、そのような研究…

  8. 複数の移動ロボット間での機械学習の共有による適応制御の効率化

    近年,災害調査など危険な場所や人の立ち入りが困難な場所でのロボットの活躍が増えていますが,このような…

PAGE TOP