リニアアクチュエータを用いたせん断力測定およびフィードバック機構の開発

現在,日本では少子高齢化が悪化の一途をたどっており.2014年には26%である65 歳以上の高齢者人口が,2060 年には約40% まで上昇する見込みです.それに伴い介護人口も上昇することが予測されます.また,現時点で介護従事者にかかる負担がとても大きく,実際に体に異常をきたす事例が多数報告されています.特に腰痛の発症は顕著で,症状を有する介護従事者のうち55.6%は介護従事後2年以内に腰痛を発症しています.これらの要因として移動介助や体位変換などが挙げられます.実際の介護の現場では,体圧分散寝具を用いて,体位変換を4時間に1 度行う必要があるとされています.しかしながら,適切な介護は,褥瘡のリスクを看護師やケアマネージャーなど見識のある人でないと適切な判断が難しいものとなっています.加えて,短い時間で体位変換を行うことで要介護者の睡眠に影響し,QOL の低下にもつながりかねません.

そこで,本研究では,圧力およびせん断力(横にずらす力)の測定に加え,同機構でこれらのフォースフィードバックを行える機構を考えました. 実験では,実際に荷重を加え,値が推定できるのかを検証しました.実験の結果,せん断力を出力できていることを確認できました.しかし,理想値との誤差に加え,測定できない箇所があるため,新たにモータを追加することで改善しようと考えています.この機構により,1人1人に応じた力を測ることができます.それに伴い,体位変換を行うことで褥瘡を予防することが可能となります.また最終的には,せん断力および圧力を測りながらフィードバックを行うことで,専門的な知識を要求される介護の自動化も期待することができるのではないかと考えています.

 

主な発表論文

  • 宮元大地,五十嵐洋:“リニアアクチュエータを用いたせん断力測定およびフィードバック機構の開発”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’17, 2A2-J04, 2017/05/12.
  • 宮元大地,五十嵐洋:“リニアアクチュエータを用いたせん断力測定およびフィードバック機構の開発”, 平成29年電気学会全国大会, 4-206, 2017/03/16.

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