熟達者の力提示を用いた楽器演奏熟達支援

楽器演奏には長期練習が必要であり、それを支援する研究は広く行われている。しかしながら、そのような研究は視覚情報や聴覚情報を用いたものが多い。ヒトが楽器を演奏するときは、それら視覚情報や聴覚情報を、触覚情報に変換して手指運動を行っているため、触覚情報による支援がより有用的であると考えられる。

そこで、本研究では触覚情報を用いた楽器演奏熟達支援を行う。触覚情報の提示にはハプティックグローブを用いる。ハプティックグローブとは、触覚手袋ともいい、手とコンピュータ間を結ぶコントローラのようなものである。その主な使用用途としては、仮想現実空間内においてヒトの手指運動情報の計測や、フォースフィードバックをするものが一般的である。本研究ではグローブを熟達者と非熟達者に装着し、熟達者の手指情報を非熟達者に与えることによって熟達を支援することを目的とする。

このグローブのブロック図を右に示す。グローブの制御には外乱オブザーバ及び反力推定オブザーバを用いることによって、触覚情報をお互いの指に与えあっている。このグローブを使用することにより、熟達者と非熟達者の指を同期することができ、またそのとき楽器演奏を行い、FFT解析を行った際に、熟達者の演奏が熟達者の演奏と一致することを確認した。

 

 

主な発表論文

  • 芦森和茂,五十嵐洋:“熟達者の力提示を用いた楽器演奏熟達支援”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’17, 2P1-N01, 2017/05/12.
  • K. Ashimori and H. Igarashi, “Skill assist system for musical instruments by skilled players force feedback,” 2017 IEEE 26th International Symposium on Industrial Electronics (ISIE), pp. 2008-2013, Edinburgh, 2017.
  • 芦森 和茂、五十嵐 洋:“触覚提示による相補教示支援”,第18回 計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,1C3-14,2017/12/20
  • Kazushige Ashimori, Hiroshi Igarashi: “Complemental Learning Assist for Musical Instruments by Haptic Presentation,” 15th International Workshop on Advanced Motion Control (AMC2018), pp. 175-180, 2018/03/11

姿勢解析に向けた網型圧力センサアレイによる圧力分布および力覚の提示

3次元空間における注意推定と行動予測

関連記事

  1. プロペラ吸排気一体型モジュールの開発

    近年,建造物の老朽化が問題となっています.高度経済成長発展を遂げた日本は,様々な建造物が造られてきま…

  2. 触覚刺激を用いた聴覚の拡張及び提示波形包絡線の検討

    音楽鑑賞や楽器演奏などの体験には,楽器の振動という単一の物理現象によって触覚と聴覚を…

  3. 全方向運搬ロボットの振動軽減機構の開発

    一般的に、「近い将来ロボットが一家に1台導入される」と言われて久しいが、人とロボットが協調し共存でき…

  4. MR流体を用いたセンサレスフォースフィードバックデバイスの開発

    近年, VRやシミュレーション, 遠隔操作技術などの向上により, 柔らかさや弾力など, 任意の力覚を…

  5. 協調作業を行う作業者の「気づかい」推定による相性解析

    この研究は、ヒト同士が協力して行う作業について、工学的に解析することを目指しています。そして、解析結…

  6. 複数の発光・受光素子を用いた高速・高分解能視線計測デバイス開発

    本研究では、人間の視線に着目し、非常に速い眼球運動を捉えるためのデバイス開発を行っています。…

  7. 非接地型入力デバイスにおける力覚フィードバックを用いた操縦支援

    近年,工場用のコンテナクレーンやゴミ処理場に使用されているごみクレーンの多くは,入力デバイスとしてジ…

  8. 筋電による運動錯覚を用いた運動支援

    現在、リハビリや運動学習では指導者が口頭で支持を出したり、直接動かす方法がとられています。しかしこの…

PAGE TOP