触覚刺激を用いた聴覚の拡張及び提示波形包絡線の検討

 

音楽鑑賞や楽器演奏などの体験には,楽器の振動という単一の物理現象によって触覚と聴覚を生じるとい う共通点が存在する.聴覚のみで知覚される場合と比べて触覚によっても知覚されることは,人と対象物が接している,もしくは近い距離に位置することを伝え る大きな手がかりとなり,臨場感や没入感,操作性の向上に寄与していると考えられる.

触覚刺激と聴覚刺激は本来同一の物理現象に端を発するものであるが,伝搬の形態によって二つの状況に分類できる. 振動源から空気伝搬された振動が聴覚刺激を生じ,それに伴った触覚刺激を生じる状況. 次に 振動源から振動が直接身体に伝わり,それ伴った聴覚刺激を生じる状況. 前者の状況に対する先行研究では,例えば体感音響装置を用いて音楽を聴覚刺激としてだけでなく振動刺激 としても提示し,複数感覚への提示によって音楽への没入感を向上させ,聴覚体験を触覚提示によって加算的に向上させることになる.後者の状況では,野球やテ ニスにおけるだけ記事の衝突感などを指し,衝突感は強い触覚刺激を伴うが,多くの場合音のみで提示されていた.これに触覚提示を加えることで,聴覚刺激のみでは提示困難な情報を提示可能になると考えられる.

本研究では,聴覚刺激を伴う体験を触覚刺激によって拡張することを目的とする.聴覚体験の拡張とは,本来触覚と聴覚が同時に発生するという状況を再現することにとどまらず,聴覚体験全体の主観的価値を高めることを目指す.触覚刺激と聴覚刺激の伝搬形態に ついて上記で述べた.ここでは,振動源から空気伝搬された振動が聴覚刺激を生じ,それに伴った触覚刺激を生じる状況に対する研究を行う.

筋電による運動錯覚を用いた運動支援

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