背景
近年、高齢化や人手不足に伴い、熟達者が有する技能を学習者へ効率的に伝承することが求められている。しかし、筆記や研磨、切削などの接触を伴う技能では、動作軌道だけでなく、力加減や力を変化させるタイミング、動作速度といった感覚的・暗黙的な情報が作業結果に大きく影響する。これらの力制御情報は外部から観察することが難しく、従来の見本の観察や反復練習だけでは十分に伝えることが困難である。また、学習者に対してどの程度の力を、どのタイミングで提示することが効果的であるかについても、十分に明らかになっていない。
目的
そこで本研究では、筆記動作を対象として、熟達者の筆記軌道、速度、筆圧などの情報を計測し、力覚インタフェースを用いて学習者へ提示するモーションコピー型の筆記支援システムを構築する。熟達者の動作や力加減を力覚として再現し、支援の有無による学習者の軌道、速度、筆圧などの変化を比較することで、力覚教示が力制御技能の習得に与える影響を検証する。これにより、熟達者の力加減を学習者へ効果的に伝え、接触技能の伝承を効率化する手法の確立を目的とする。


