機械操作における自己主体感の評価

人工知能をはじめとした自動システム技術が著しく発展しています.特に機械操作においては自動支援という形で活用され,ヒトの負担を減らしてより円滑で快適な操作を可能としています.しかし,支援体系や支援量などには個人差が考えられ、適切な支援を行うにはヒトの意図・感情を考慮する必要があります.

そこで,「自己主体感(SoA:Sense of Agency)」に注目しました.SoAとは、“自分がどれだけ実感を持って動作を行えたか”という人間の主体性を示す動的な感覚であり、この感覚が小さいほど、機械操作に対する集中力・パフォーマンスが低下するとされています。能動的動作時の「予測値と実測値の差の逆数」で表されます。この予測値を得ることは困難であり、従来のアンケートによる評価手法は単発・離散的なため、動的に変化する機械操作には適用しにくいと考えました。そこで私は、機械学習を用いたSoAの連続的な定量化に注目しました。操作入力量・位置・速度といった操作情報をニューラルネットワーク(NN)で学習し、個人の操作入力量を予測値としてモデル化することで、個人差を考慮したSoAの定量化が可能になりました。現在はより高精度な個人差評価と支援システムの構築に向けて、定量化手法の改良・リニアアクチュエータを用いた実験デバイスの設計を進めています。

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